ペットボトルのお茶などの飲料や、紅茶・ほうじ茶などの茶葉のほか、関連製品を展開している伊藤園。大手飲料メーカーとして有名な同社ですが、SDGsにも積極的に取り組んでいる会社です。ここでは、伊藤園が取り組むSDGsの事例を目標別にご紹介します。ビジネスへの導入を検討中の方は、参考にして頂けたらと思います。
伊藤園は、自然・健康・安全・良いデザイン・おいしいの5つのコンセプトを元に製品開発を行っている会社です。お茶ブランドの「お〜いお茶」を始め、さまざまな飲料製品や茶葉製品を手がけています。同社は海外事業も積極的で、アメリカや中国を中心に飲料やサプリメントの製造や販売も行っています。
伊藤園は飲食事業にも力を入れています。同社は、コーヒーショップの「タリーズコーヒー」を日本で展開しているほか、全国でお茶の専門店やカフェを運営しています。飲料メーカーとしてのイメージが強いかもしれませんが、関連事業を多角的に展開しているのが特徴です。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/company/business/)
伊藤園では、食生活と健康に貢献するために、人生100年時代を見据えた研究開発や、各世代の健康に配慮した製品・サービスの提供に取り組んでいます。同社では、産官学の連携による研究を通し、機能性素材の継続的な開発と健康的な食習慣に貢献できるよう努めています。また、トクホや機能性表示食品も積極的に推進しており、2026年には売上比率30%以上を目指しています。
このほか、製品における安全・安心な品質の追求や、環境負荷の低減にも取り組んでいます。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/diet_health/)
国内農業を持続可能なものにするための活動も行っている伊藤園。茶産地育成事業を通じ、茶産地の拡大と耕作放棄地の農地転換を推進しています。同社の茶産地育成事業は、1976年から実施されており、茶葉を全量買い取る契約栽培などを行っています。
また、2030年度の茶産地育成事業の展開面積2,800haを目指しているほか、減農薬や有機栽培の技術開発を推進し、農業の環境課題解決に取り組んでいます。
伊藤園では、地球温暖化を防止するために多数の取り組みを実施しています。そのうちの一つがTCFDの提言内容への賛同です。TCFDは、気候変動や関連リスク・機会を把握し、ガバナンスや戦略など複数の領域に沿った開示を企業に求めています。伊藤園では、こうしたTCFDの提言に対し、積極的な情報の開示を推進しています。
このほか、伊藤園では主力原料である緑茶を対象に、気温が1.5度・2度・4度上昇した場合のリスクと機会を分析し、事業への影響評価と対応策の検討を進めています。
伊藤園では、ISO14001のPDCAサイクルに則ったCO2の排出量削減に取り組んでいます。CO2削減には全社規模で取り組んでおり、2020年度のCO2排出量は前年比で1.6%減を達成しています。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)
伊藤園が加入する全国清涼飲料連合会では、日本経済団体連合会が低減する環境自主行動計画に策定当時から参加しています。業界全体で低炭素社会実現を推進し、2020年度におけるCO2排出量の10%削減(1990年比)を目指しています。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)
気候変動イニシアティブにも参加しています。同イニシアチブは2018年に設立された組織で、脱炭素社会の実現に向けた活動を行っています。伊藤園では、2019年に気候変動イニシアティブへ参加し、関連企業や団体と連携して気候変動に取り組んでいます。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)
生産部門の環境負荷低減にも取り組んでいる伊藤園。同社の名護工場では、天然ガスボイラーとLNGサテライトを導入し、エネルギーの使用効率化を実現しています。
一方、一部の関連会社では太陽光発電を取り入れるなど、再生可能エネルギーの利用を推進。自社オフィスでも照明のLED化や省エネタイプの空調設備の導入を進め、節電に努めています。
限りある水資源を守るため、伊藤園では生産活動における水使用量の削減を推進しています。例えば、容器の殺菌に薬剤を使用しない製造方法を導入し、薬剤を水で洗い流さずに済む仕組みを構築。これにより、水使用量の削減と排水負荷の低減を実現しています。名護工場では、冷却・洗浄に用いた水を適切に再利用し、工場全体で節水に取り組んでいます。
水に対するリスク対策も実施。伊藤園は、一部のエリアを除いて自社工場を持たず、全国の飲料製造業者に製造を委託するファブレス方式を採用しています。とあるエリアで渇水や断水、その他自然災害で製品の製造が困難になったとしても、他でカバーするなど柔軟な対応を可能になっています。さらにサプライチェーン全体のリスクを定期的に確認し、適切な対策を講じています。
グループ全体で持続可能な容器包装の実現に取り組んでいる伊藤園。同社では、2030年までにペットボトルで使用するリサイクル素材の割合100%を目指しています。こうした「ボトルtoボトル」の取り組みは徐々に進んでおり、2019年には「お〜いお茶」の600mlペットボトルで100%リサイクルボトルを導入。その後も随時導入を進めているほか、ラベルレスボトルを開発するなど、石油由来資源の削減に努めています。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)
伊藤園は、東洋製罐と共同で環境配慮型の充填方式「NSシステム」を開発し、ペットボトルの軽量化に取り組んでいます。NSシステムは常温での無菌充填を可能にしており、殺菌剤を使わずに済むのが特徴。ボトルは温水で殺菌する際のみ高温にさらされるため、ボトルの耐熱性を抑えることに成功しています。
これにより、ボトルは従来比で約30%(500mlペットボトル基準)、キャップは約13%の軽量化を達成。ラベルに関しても、40〜50%の薄膜化を実現しています。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)
ペットボトルだけでなく、紙容器の資源削減にも取り組んでいます。伊藤園は、アルミニウムの代わりに環境配慮型フィルムを採用した紙製の「アルミレスECO容器」を開発しました。長期常温保存が可能な一方、アルミニウムを使っていないため、牛乳パックのようにリサイクルできます。
また、一部の紙パック製品では生分解性素材を使用したECOストローを採用するなど、環境負荷低減や海洋汚染の抑制に取り組んでいます。
生物多様性を守るため、茶産地育成事業での減農薬や有機栽培の技術開発に取り組んでいる伊藤園。同社は、2015年にこれらの取り組みが認められ、公益財団法人イオン環境財団が主催した第4回生物多様性日本アワードで優秀賞を受賞しています。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)
伊藤園は茶殻の資源化も推進しています。同社は、茶殻を限りある資源の代替原料と捉えており、工業製品に活用する茶殻リサイクルシステムを確立させました。この取り組みより、茶殻を配合した建材や樹脂、紙製品などを開発しています。このほか、むぎ茶殻の有効活用にも取り組んでいます。
全社規模で食品廃棄物の削減も進めています。伊藤園では、廃棄飲料や廃棄茶葉の削減に向け、賞味期限を年月日表示から年月表示へと変更しました。表記変更は2013年から始まり、2018年には全商品の約8割を年月表示にしています。年月表示へ移行することで、物流の効率化やフードロス減少によるCO2排出の削減と、環境負荷の低減が期待されます。
参照元:伊藤園公式サイト(https://www.itoen.co.jp/sustainability/environment/)