世界中のあらゆる分野でSDGsが浸透し始めていますが、実は取り組むうえで気をつけなければならない「SDGsウォッシュ」というものがあります。ここではSDGsウォッシュとは何か、具体的な事例、SDGsウォッシュのリスクを避ける方法についてご紹介していきます。
SDGsウォッシュとは、SDGsに取り組んでいるように見せて実態が伴っていないこと。「ごまかし」「粉飾」という意味を持つホワイトウォッシュ(white wash)とSDGsを組み合わせた言葉で、環境問題への取り組みを見せかけだけでごまかす企業への批判から生まれたグリーンウォッシュ(green wash)が元になっています。
SDGsに取り組む企業は、何にどれだけ取り組んできたかというレポートの発行を求められますが、なかには過去に行っていた事業・活動にSDGsのアイコンをつけ、SDGsへの取り組みに見せかけているケースも見られます。
大手アパレル企業であるF社は、CSRレポートにおいて貧困問題や雇用の拡大、提携企業とのパートナーシップ強化を掲げていました。しかし、中国の新疆ウイグル自治区の下請け工場で、労働者が低賃金での強制労働を強いられていることが香港のNPO法人によって報告されたのです。
大規模な不買運動などにはなりませんでしたが、人道に反する罪を犯したとのことで、フランス当局がF社のフランス法人を捜査するといった事態に発展しています。
2019年に、主要グループ会社全体の二酸化炭素削減を提言していた日本国内大手のM銀行。しかし、打ち出した環境方針とはまったく異なる方向で、二酸化炭素の大量排出が懸念される石炭産業に投資。しかも、その融資額は世界から見ても大きなものとなりました。
このSDGsへの貢献を謳いながら石炭産業に投資するという相反するM銀行の姿勢は、環境NGOなどから強い批判を受けることになったのです。現在は、環境・社会に配慮した投融資方針を切り替えています。
完全にSDGsウォッシュのリスクを避けることは困難です。しかし、「根拠のない不明瞭な情報を避ける」「定義しにくい曖昧な表現をしない」「誇張した表現をしない」といった、基本的な対策を徹底することでリスクを軽減することは可能です。